パーツ・カスタマイズ選び・SSD
【パーツ・カスタマイズ選び・SSD】
発売された当初はかなり割高であったため、
OSの起動ドライブやアプリのインストールドライブ用途が主流でした。
2017年現在はだいぶ安価になっているため、
ゲームのインストール用ドライブや
画像・映像編集の作業用ドライブとしても大きなニーズがあります。
本記事ではSSDのスペック・BTOパソコンでの選び方、
用途別におけるSSDの運用などについて説明します。
〈SSDの役割〉
SSDもハードディスクと同じく補助記憶装置になります。
ソフトのプログラムやデータなどを保存しておく為のパーツです。
ただ、ハードディスクと違う点は
読み書きの速度がハードディスクより早いことです。
一概にいくつとはいいがたいのですが
SSDはハードディスクに対して大体3倍くらいの速さになります。
そのため、1GBあたりの価格がハードディスクよりも高くなります。
大きさもハードディスクは3.5インチに対して、
SSDは2.5インチと小さいサイズになっています。
SSDはHDDと違い電気的特性によりデータを保存しているため、
あまり長い時間通電していないとデータが消えてしまします。
(フラッシュメモリやSDカードなども同様に言えます)
しかしその時間も1年程ととても長い時間ですので、
通常利用の範疇ではほとんど心配しなくてもいいでしょう。
〈SSDのスペックについて〉
【記録方式】
SSDの記憶装置部分にはフラッシュメモリやSDカード同様、
NAND型フラッシュメモリと呼ばれる回路が使われています。
回路内で実際に記録を行う箇所を記憶素子と言いますが、
その素子には種類が複数あります。
それぞれSLC/MLC/TLCといいます。
頭文字のSがSingle,MがMultiple,TがTripleとなっており、
記憶素子の保存データがそれぞれ1ビット,2ビット,3ビットとなっています。
2017年現在では大多数のSSDがTLCとなっています、
なぜかというとTLCの方が製作コストが割安で大容量にしやすいからです。
かつてTLC製のメモリが発売されたころは、
技術がこなれておらずトラブルが多発したため
「TLC製品は安価だけど信頼性が低い」
などと言われたりもしましたが
現在ではそういったことはほとんど聞かれなくなっています。
【容量】
SSDの容量はHDDのそれよりも多くはありません、
よって1GB当たりの単価はSSDの方がだいぶ高いことになります。
SSDはその性質上容量が大きければ割安になるため、
一番容量の大きな製品群が割安になります。
現在、1TBの製品が3万円台半ばくらいになります。
【読み書き速度】
読み書きの速度というものは記憶装置において重視されるスペックです。
まず参考にするメーカー公称の指標として、
読み込み速度と書き込み速度があります。
またIOPSと呼ばれる
「記憶媒体が1秒間にI/Oアクセスできる回数」
なども表記されている場合があります。
SSDがつながれているケーブルはSATA2ないしSATA3であるため、
SATA2やSATA3の転送速度が上限になります。
また、SSDには読み書きを制御するコントローラーが存在するため、
読み書きの速度は主にこのコントローラーで決定されます。
また、128GB以下の容量とそれ以上の容量とでは
読み書きの速度に若干の差があります。
これは容量が大きいほど書き込み速度が速いというSSDの性質によるものです。
【コントローラー】
コントローラーはSSDを制御する心臓部にあたります。
コントローラーは主要3社がソフトウエア開発を行い、
各SSDメーカーがそのソフトウエアをカスタマイズして自社製品に組み込みます。
ですので元のコントローラーは同一社製でも、
公称スペックが全然異なるということもよくありました。
現在は各社ともカスタマイズがこなれてきており、
そこまで差異があるわけではありません。
なお用途別のパソコン構成例については、こちらをご参考くださいませ。
BTOパソコン評価:BTOパソコンの用途
〈製造メーカー〉
Crucial・CFD・東芝・ADATA・Kingstone・トランセンドなど
かなり多くのメーカーが製造しています。
似たような記憶装置であるフラッシュメモリやSDカードなどを
作っているメーカーが多いです。
〈おすすめ・売れ筋〉
おすすめはWESTERN DIGITALのWD Green WDS120G1G0Aです。
市場平均と比較して若干割高ですが、
ハードディスク大手のWDが今年から売り出しているSSDで、
中はSANDISKのSSDなので人気があります。
売れ筋はCrucialのCT525MX300SSD1です。
抜群のコストパフォーマンスを誇り、
CrucialのMXシリーズはここ1年以上ずっと上位にランクインしています。
〈用途別におけるSSDの選び方〉
まず何か作業するわけではなくても、
SSDをパソコンにすることを筆者は強くお勧めします。
筆者はSSDが市販され、だいぶ早い時期からのユーザーですが、
もうOSやソフトウエアのインストールディスクに、
ハードディスクを使いたいと思いません。
それくらいSSDはキビキビと動きます。
以下に用途別のユースケースと
SSDの選び方について簡単に説明します。
【ゲーム】
ゲームはデータの読み込みが非常に多いため、
ぜひSSDを搭載しておきたい用途になります。
ただし、年々ゲームの容量は大きくなる一方なので、
OSのインストールなども踏まえると、
128GB前後の容量では少々心もとないかもしれません。
【画像編集・映像編集】
データ保存自体はハードディスクに行い、
作業用にSSDを利用すると作業効率が高まります。
ただし、SSDにするよりもメモリを増設したほうが、
作業効率へのインパクトは大きいです。
【テレビの録画】
エンコーディングを行う場合は、
作業用の保存領域としてSSDを使うのが好ましいです。
まとめ
本記事ではSSDのスペック解説と、用途ごとの説明を行いました。
ハードディスクには取って代わられるのはもう少し先かもしれませんが、
用途に応じて運用してあげることで
パソコン利用のストレスを大きく低減できるでしょう。