パーツ・カスタマイズ選び・電源
【パーツ・カスタマイズ選び・電源】
パソコンは大きな電力を要するため、
大型の電源ユニットを搭載している場合がほとんどです。
またパソコンの安定稼働という面でも電源は大変重要になります。
本記事では電源(電源ユニット)について説明していきます。
〈電源の役割〉
多くの家電製品は直流電源で動くのですが
供給される電力は交流であるため
家電製品を動かすには交流から直流に変換してあげないといけません。
電源ユニットは交流から直流に変換して
各パーツに必要な電圧で出力するためのパーツです。
〈電源のスペック〉
電源のスペックは性能に直結する部分とそうでない部分がありますが、
いずれも知識として覚えておく必要があります。
【電源容量】
ワット数のことです、
大きいほどパソコンに供給できる電力が大きくなります。
高価なCPUやグラフィックカードを利用する場合、
必要な電力が大きくなるため大きなワット数の電源を利用することになります。
【対応規格】
ATX/EPS/SFX/BTX/FlexATXといった形状の規格があります、
大まかにいうとATXが一般的なサイズ、
EPSはATXと大きさは一緒だが出力が大きく、
SFX,BTX,FlexATXがスリム型ケース用の電源
に分けることができます。
組み込むケースによって異なるため、
ケースにマッチした対応規格を選択する必要があります。
【80PLUS認証】
電源ユニットは交流を直流に変換するというのは上で説明しました、
その際に変換効率というものが存在します。
80PLUS認証はその変換効率が80%以上の電源に与えられる認証です。
その際に電源にかかる負荷率ごとの変換効率を調査し、
低いグレードから
スタンダード/ブロンズ/シルバー/ゴールド/プラチナ/チタン
と格付けがされます。
当然のことながらグレードが高い80PLUS認証電源の方が高価になります。
どのグレードの電源も販売されており、
入手が困難ということはまずありません。
ただしチタンは認証されている電源の数そのものが少ないので、
実店舗での入手性が悪いかもしれません。
では実際どのグレードの80PLUS認証電源を利用すべきか、
というのは主に用途によって異なります。
用途別の電源ユニットの選び方は後述します。
【プラグイン】
電源ユニットの中には必要なケーブルだけを取り回し可能な、
プラグイン型の電源もあります。
利便背は確かに高いと言えるのですが、
パーツの性質上ケーブルの着脱がしづらいという点があります。
【電源の奥行き】
電源の大きさで最も重要なのは奥行きになります、
というのもこのサイズにはばらつきがあり
ケースによっては組み込めないこともあるからです。
利用するケースの電源組み込み部分のスペックを確認しましょう。
【その他】
CPUやOSなどが電源を細かく制御する機能を追加した際に、
その機能が電源側で対応しているかどうかが問われることがあります。
また、ファンが静音であるか、あるいは電源自体が静穏設計で
あることを売りにしている商品もあります。
ただしこういった商品は実働してみなければ
音の具合はわからないことがほとんどです。
〈製造メーカー〉
海外のメーカーを中心に沢山のメーカーが電源ユニットを製造しています。
ANTEC・KEIAN・Corsair・玄人志向・オウルテック・ENERMAXなどが
名前の知られているメーカーですが、他にもたくさんのメーカーがあります。
〈おすすめ・売れ筋〉
現在市場ではCorsair製電源が大人気で、
おすすめや売れ筋もCorsair製電源になります。
おすすめはRM650x CP-9020091-JPです。
650Wで80PLUSゴールド認証を受けている電源で、
同一の認証を受けている電源の中では
15000円とコストパフォーマンスが高いです。
650Wとということでかなりハイエンドな構成を除けば
ほとんど問題なく利用できる電源容量です。
多少不安であれば同一製品の750W版である
RM750x CP-9020092-JPがあります、こちらは2000円差になります。
売れ筋はCX650M CP-9020103-JPです。
こちらは650Wで80PLUSブロンズ認証を受けている電源で、
市場価格はだいたい7000円ほどになります。
他の同一スペックの電源と比較すると少し高いですが、
評判もいいため売れ筋となっています。
〈選び方〉
始めに自分のパソコンの消費電力が全体でどのくらいなのか確認しましょう。
全てのパーツの消費電力の合計が400W近く必要であれば
少し余裕をもって500Wくらいにしておきましょう。
なぜ余裕を見たほうがいいかというと、
パーツの増設していくとその分だけ消費電力は増えていき
ギリギリのワット数ではパソコンの挙動が不安定になるからです。
ワット数が決まったら次に予算とメーカーを決めていきます。
ここまで決まったら比較サイトなどで検索していると
ある程度購入しようと思う商品が絞れてくるでしょう。
80PLUS認証はどうするかについてもここで検討しましょう、
用途別の推奨電源容量と推奨80PLUS認証については
下でまとめますのでそちらをご参考いただければと思います。
次に電源ユニットのケーブルの本数の確認をします。
パソコンの各パーツに対して、
電源ユニットから出ている電源ケーブルをつないでいくのですが
そのケーブルの本数が足りているか
また、端子は足りているか確認してください。
最低限の構成で組んでいるパソコンであれば
それほど気にする必要はないですがある程度パーツの増設しており、
ワット数があまり多くない電源ユニットを利用すると、
電源ケーブルが足りなくなることがあるので気をつけましょう。
最後に自分のパソコンのケースに付ける事ができる大きさか確認しましょう。
大容量の電源ユニットはその分大きいサイズである場合が多く、
ミニタワー型のケースや電源ユニットのサイズに制限があるケースなどでは
取り付けができない場合があります、ご注意ください。
【用途別推奨電源スペック】
用途 | 推奨ワット数 | 推奨80PLUS認証 |
安価なPC | ケース付属のものを利用 | - |
キビキビ動くPC | (CPUに応じてだが) 400W以上 |
- |
動画視聴 | 400W以上 | - |
テレビ録画 | 400W以上 | ブロンズ認証以上 |
株・デイトレ | 500W以上 | シルバー認証以上 |
ゲーム | 600W以上 | シルバー認証以上 |
最新のゲーム | 700W以上 | ゴールド認証以上 |
実況用 | 400W以上 | ブロンズ認証以上 |
ゲーム実況用 | 500W以上 | シルバー認証以上 |
パソコンのパーツの中で電力を消費する部分は、
「CPU」と「グラフィックカード」になります。
この2つのパーツがある場合には500W以上を
さらに2つのパーツがハイエンドである場合には
600W以上の電力容量を推奨しています。
他の用途も400Wのものはケース付属などでも構わないのですが、
〈選び方〉にも記載した通り、
ギリギリの電源容量では安定性に欠く上
パーツ増設時の余裕もなくなってしまいます。
電源はあまり価格のインパクトが大きいパーツではないので、
どんな用途でも思い切って初めから
600Wほどの電源を搭載するのもおすすめです。
(ただしスリムケースなどSFX規格の電源はこの限りではありません)
〈まとめ〉
電源は容量だけ気にすればいいと考えがちですが、
安定的なパソコンの運用を考えると検討すべき点が多いパーツです。
また、電源の奥行などあまり重視しない箇所も重要である場合が多いです。
本記事がそういった不明な点についてを解消する内容になっていれば幸いです。